最後の恋はアナタの隣で

「本当に大丈夫か? きつかったら休んでもいいんだぞ?」

週明け。

いつも通り車で学校に送ってくれた春樹さんが、校門前に到着するや否や、私の顔を覗き込んで心配そうな声を出した。


目を伏せて、春樹さんと極力視線を交えないようにしながら、


「……大丈夫だよ。熱はないし、気分が悪いわけでもないから」

そう答えた私の声は、自分でも分かるくらい酷く淀んだものだった。


今の私にとって、春樹さんの優しさは胸が痛むものでしかない。


少し前までなら――厳密に言うと二日前の朝までなら、その優しさを手放しで喜べてた。


だけど、春樹さんとユカリが私に内緒で密会していたという事実を知った今……どんな顔をして喜べばいいっていうんだろう。


「でも、顔色悪いぞ?」

「……大丈夫」
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