最後の恋はアナタの隣で


「――涼ちゃん」

「……」

「涼ちゃん?」

「……」

「涼ちゃん、どうしたの?」

「へ……?」

ママに顔を覗き込まれて間抜けな声を上げた私は、一瞬、何が何だか分からなかった。


……何でママが衣装部屋にいるの?
もしかして私、気付かないうちに寝ちゃってた!?


そう思って慌てて「寝てしまってごめんなさい!!」と口にすると、ママはポカンとした顔をして――すぐに笑い声を上げた。


何で笑われてるのか分からないけど、笑われたって事は、私が何か笑われるような事をしてしまって――…


「……」

冷静になって周囲を見回すと、自分が衣装部屋じゃなくてバーカウンターにいる事に気が付いた。
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