僕が君を護る盾となろう
「彼女は脱走の常習犯でね。我々の隙を付いてまた逃げ出したんだ」
「そうだったんですか…」

昇は縮こまる。
穴があったら入りたいぐらいだ。

「君が気にすることは無い。助かったよ」
「おい!行くぞ!」

救急車に乗った一人が叫ぶ。

「じゃぁ、そういう事で。見つけてくるて助かったよ。じゃぁ、くれぐれもこのことは内密にね。我々の首が飛んでしまう」

男は救急車に乗り、走り去って行った。

精神病院。

昇にはその言葉だけが残っていた。

「…寒っ!」

やばい。
彼女にコートを貸したままだ。

「しょうがない。急いで帰るか」

昇はアパートへの道を走り出す。
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