あなたの歌
大手企業に就職した美沙。
親からは喜ばれ、周りから羨ましがられる、文句のない道であった。

だが、美沙自身の気持ちは沈んでいた。

「早く両親を安心させる」という気持ちと、社会を堅実さを優先した。確かに、間違いではないだろう。
しかし、後悔をしながら生き続けている生活をしている今、疑問ばかりが、美沙のなかを駆け巡っていた。


誰にも言えないこんな気持ち。誰にも認めてもらえないこんな夢。
美沙は、わかっていた。こんな甘い考えを、叶えることなど出来ないと。

仕事は失敗ばかり。怒られることなど毎日だ。

美沙は、今の仕事に何の目標も見いだせなかった。必死に考えても思いつかないこと。ただひたすらに、がむしゃらに働いていた。
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