億万色Love
「あの、娘の凜と申します。S大学の転校の件、ありがとうございました」
「凜ちゃんか。いえいえ、月曜日からは陽介と一緒に頑張ってくれよ。」
「………ようすけ?」
って誰…?
「凜。条地くんには二人息子がいて、弟の方がS大の四年生なんだ。たしか兄さんは…海外だったかな…?」
「ああ。でも今はちょうど帰ってきてるよ。また半年したら仕事でドイツに行くらしい。さっきまで下にいたんだが、部屋に戻ったかな?」
弟がS大の四年生
兄が海外で仕事
これはこれは…‥
一家そろって輝いてますね‥
「条地くんの血を引いた息子さんたちは、さぞご立派なんだろうな」
「またまた七元くん!」
「「あはははは」」
あはははは…‥
って……笑いたいけど笑えない
陽介くんか…
四年生ってことは一つ先輩なんだ
お隣りさんのうえ、大学まで一緒か…
なんか…ちょっぴり気まずい感じ
エリート兄弟…
どんな人たちなんだろう
亮みたいにハイテンションじゃなかったら、どんなんでもいいんだけど
よく喋る人は、苦手。
でもこれから先、条地家とは交流を深めたりするわけで、そうなれば子である私たちは嫌でも話さなきゃいけなくなる時が訪れる
どうせなら、理解しあえるような人たちがいいな
なんて…
めちゃくちゃ嫌な人だとしても、仕方なくの場合はある
それがその時になってみないと分からないのが、今の私の不安でもあるのだ
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