億万色Love
一時間後
部屋が部屋らしくなったとこで私は止めた
たたんだ段ボールを捨てようと再び下におりると、リビングもキッチンも綺麗に片付いてて、みんなの姿はなかった
段ボールを持って外に出てみると、隣からひそかに笑い声が聞こえてきた
…だと思ったよ
みんなの行き先なんて隣しかないよね
そのまま何歩か進んで、条地家に到着
チャイムを鳴らそうとした時
奥の玄関が開き、誰かが出てきた
ボタンから手を離し、出てきた人をよーく見てみる………
「…………あ」
「お前……」
そこにいたのは紛れも無く昨日の男だった
「なんで…?」
「こっちのセリフだろ。…まさかあんた、七元さんの娘?」
「そ、そうだよ。そっちこそ…‥」
ちょっと待て‥
まさか‥‥
"S大のエリートだよ?"
"弟の方がS大の4年生なんだ"
"月曜から陽介と頑張ってくれよ"
"あ、陽介く〜ん!"
"なんだ、近所じゃん。ちょうどいい"
まさかまさかの…‥
「あんた…条地家の"次男"じゃないよね…?」
「だったらなんだよ」
「え、うそっ!?」
「うそじゃねぇよ…うるせぇな」
こんな偶然…
嘘だと言って…‥ー
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