億万色Love
つべこべ言い合ってる間に、なぜか歩き始めた二人
そのまま近くのスーパーまで来ちゃってた
「早く、それに書いてるもん入れろよ」
「‥は?あんたがしなさいよ」
私は付き添いで来てあげてるんだからね!
「…分かった。じゃ、しっかり持ってろよ」
「え…?」
なぜか買い物カゴを持たされた私‥
陽介くんは意地悪く笑うと、そのカゴに、紙に書かれている品物を次々に入れだした
「ちょっと‥、もう持てない‥」
私の言葉なんて無視…
カゴが二つになり、当然持てない私は、引きずりながら陽介くんの後ろを付いて回る…
なんでこうなるの……
「あ!陽介くん!」
「え!?うそー!ほんとだ!」
「きゃあああ!!条地さんとこの息子さんよ!」
「素敵ねぇ、いつ見ても」
「みてみて!陽介くんじゃん!」
「うわっ、かっこいいー!!」
………!?
なんだ…?
あっという間に私たちの周りには人だかりができていた
私たちというか…
陽介くんの周りに…
女子高生や主婦まで、みんなの目はキラキラ輝いて見えた…
"また騒ぎになるぞ?"
"連中も大人しくなるんじゃないか?"
こういうことだったのね…?
別に芸能人でもあるまいし、そこまで奇声上げなくても…
「おい…早くしろよ」
「え…あぁうん…」
周りのたかりにも全く動揺してない様子の陽介くん
もう慣れっこ…?
でも少しだけ顔が嫌そう…
私は再びカゴを引きずり、陽介くんに付いていった
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