億万色Love




「ねぇ、陽介くんのことなんだけどさ」

「え?陽介くんがなになに??♪」

前のめりになって私に近づく香留

「あ…いや…、…なんでもない」

「え〜?!なによ!気になるじゃん!」

「ううん…、陽介くんのことじゃなくて弟のことだった。しかも香留に話しても分からないし…だから気にしないで、ごめん」

「なんだ…、陽介くんの話じゃないんだ…」


きっと香留には通じない

そんな気がした…


"え?うっそー!そんな陽介くんも素敵ぃ〜!!"


…とか言いそぉ…ー


「まぁ…でもS大は諦めるか。同じ大学行ったとしても、距離が縮まるのは確かだけど、それで私の気持ちが伝わるとは限らないもんね…。だから違う方法で陽介くんにアタックしてみる!」


「あぁ…そう。まぁ頑張って…」


恋をした香留を久しぶりに見る

今までにも香留は本気で好きになった男に猛烈なアタックを繰り返してきた

その度、私も応援してきた


まぁ…半強制だけどね…


でも今回は…

相手が相手…‥


とても応援する気にはなれない‥
それはなんでか‥?


ずばり、大嫌いだから。

大好きな香留を大嫌いなあいつに渡すなんてこと、私にはできません!!


「香留、買い物行こ!!」


なぜかイライラしてきた私は、解消すべく、香留を買い物に誘った

しかし…


「え…でもこれからS大に行くんじゃなかったっけ?教本とか貰いに」

「あ…‥」


そうだ‥

忘れてた…




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