億万色Love


「はぁ‥困った奴だよね、亮も」


「ん?」


午後の授業も終わり、香留と二人でまたまた中庭のベンチに座る


「ううん、何でもない。ナナは正解だよ。あんなの相手にしてちゃ体もたないっての」


「分かってる」


「…ナナさぁ、なんで彼氏つくんないの?亮は差し置いて、他の男からもアピールされたりしてるのに全部シカトしてるよね?おかげで変な噂までたっちゃってさ」


「"女好き"ってやつ?」

「そう」



学校って面白いよね


誰からか分からないけど、噂ってあっという間に広がるんだもん



私が女好き?


んなわけないじゃん‥


ただ男に興味がないだけ



今は…‥


男の優しさで胸キュンするほど弱ってないもん



「それより、一人決まったの?」


私は話をそらした


「一人?あぁコンパの?」


「うん」


「決まったよ。電話しまくってやっと捕まえた」


「捕まえたって‥。そっか、まぁ楽しんできてよ」


「らじゃー。S大のイケメンGETしたるッッ!!!」

「……‥(--;)」



♪〜♪〜♪〜



バッグから携帯のメロディーが聞こえた



「亮?」


香留が着信の相手を断定する


「…かな?」



大学内でも亮は私を探して電話をしてくる


今ぐらいの時間帯はだいたい亮なんだけど‥



鳴りつづける携帯を手にし、画面を見ると


「父さんだ‥」


「おじさん?」



画面には父さんからの着信が記されていた




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