億万色Love
「ごちそうさま。先に帰ってるね」
「うん、先にお風呂入っときなさい」
「分かった」
席を立ち、先に食事が済んでリビングのソファーに座っている陽介くんに目を移した
春人くんと勉強をしているみたい
頭良くて、ルックスも良い
なのに、なんであんなに性格が悪いわけ?!
兄貴を見習え、兄貴を!!
玄関までの廊下を歩いてたら、前からおじさんが歩いてきた
「あ、おじさん。おかえりなさい。今日はありがとうございました」
「ただいま。どう?学校のこと大体分かったかな」
「はい。明日から頑張ります」
「そうか。じゃまた明日」
「おやすみなさい」
おじさんは優しい
第2の父さんみたいで、だんだん親しみを覚えてきた
明日からのために、私も勉強しよっと
家に帰り、階段を上ろうとした
その時…
またしても、私は驚きで体が固まる.....
さっきまで隣で勉強していたはずの陽介くんが、階段の一番上に立っていたからだ…
「これ、親父から」
そう言って一冊の本を投げられ、慌ててキャッチする
「………」
さっきもそう……
同じ状況に、私は混乱していた
ここまで来るのにおじさん以外誰とも会ってないし、陽介くんは確かに春人くんと勉強してた
…………はず。
っていうか、この家どうなってんの…?
なんかトリックでもあるのかな…
隠し扉とかあったりして……
周りをキョロキョロする私を見て、笑い出した陽介くん
「……なによ」
「こっち来て」
「………?」
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