億万色Love



確かに私の方が早く来たはず


抜かして…


ここに来るまで、抜かされてないもん……


なのに、なんで?


「どうやって来たの?」


やっぱり陽介くんを抜かすなんてまだ早い?なんてことを思う前に、私は陽介くんがどうやって私より先にここに来たのかが気になった


「歩いて」

……そんなの分かってるよ!

またバカにしてさ…


「俺を抜かそうなんて100年…、いや一生早ぇな」


一生………


横に立つ私を見上げて言う陽介くん


…どうせ、庭を駆け巡ったりして入ってきたに違いない


そんなズルイことして、偉そうなこと言っちゃってさ…


「ばかじゃない」

「お前に言われたくない」

「………」

「………」


そしてまた無言の食事が始まった

ふとみんなを見ると、なぜか笑っていて


父さんなんか、声を押し殺して腹抱えて笑ってる……



なにが可笑しいのよ……




< 54 / 179 >

この作品をシェア

pagetop