億万色Love

婚約者ぁぁぁ…？!


誰が………誰の……？


｢ひどい……私の気持ち知ってて、こんなこと…｣

｢ちょ…ちょっと待ってよ！なにそれ、婚約者って……｣

｢あなたに聞いてないわ……陽介と話してるの｣

｢あ、あの！私、婚約者なんかじゃないんですけど！｣

｢………え？｣


｢…ったく…誰がそんなこと言ってんだよ｣

｢違う…の？｣


陽介くんの言葉に中西さんは声を細めた


｢違うったら!!100％有り得ない！！｣


なんで私が、こんなやつの婚約者になんなきゃいけないのよ！！


｢そう……、はは、そうよね。あなたなんかが陽介の婚約者なわけないわよね｣


中西さんはものすごい笑顔でそう言った


態度が……一変しちゃってますけども…？



なんか……ムカつく…

もう少し言葉を選べっての！


｢まさか"噂"って‥これですか？｣

｢そうよ。こんな時期に転校してくるし。理事長とも親しく話しているのを目撃されたり、陽介とあなたが仲良く通学したりしてるのを見たって……。だから婚約者か、なにか親しい関係じゃないかってね｣


……それだけで…なんで婚約者なのよ…


しかも、陽介くんと仲良く通学？？

したことないから！！


っていうか、今日が一日目！！！

Ｓ大の人って、勉強以外は頭鈍いのかな…


｢バカバカしい…｣


そう言って立ち上がった直人くんは、こっちを見ることなく歩いて行ってしまった


｢陽介！｣

中西さんが呼んでも振り向かず、陽介くんのその後ろ姿は間違いなく怒っていた




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