億万色Love
「おじさんって誰よ」
「いや……」
「まさか…理事長じゃないでしょーね!?」
「………」
勘がよろしいことで…。
黙り込む私と、ベンチに座る陽介くんを交互に見始めた中西さん
………なに?
そして中西さんは、陽介くんの前に座わり陽介くんの手を握った
「……なんで何も言ってくれないの?」
「離せよ…」
「離さない!陽介が言ってくれるまで離さない!!」
「………」
ただ突っ立て、二人を見てるだけの私
気になるなぁ…
この二人の関係が…気になる
まさか、付き合ってたり…?!
「お前に俺らのこと言ってどうなんの?」
「え…」
「なんか得すんのか?」
「……やっぱり、この子と何かあるんだ…」
「………」
面倒臭さそうな顔をする陽介くん
まだ手を握ったまま中西さんは悲しい表情を見せた
なんか………
カップルの喧嘩を見てるみたい
そんなことを呑気に考えていた矢先、私の耳にとんでもない言葉が聞こえてきた…
「婚約者が来た、って噂は……本当だったのね…」
泣き出した中西さんを、"目が点"状態で見ている私と陽介くん
「「………は!?」」
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