億万色Love
「ナナぁ〜!!!!!」
奇声を上げて"アレ"が走ってくる………
「会いたかったぁ…!ナナ、元気にしてたか?」
「ちょ……っと…離してよっ!」
"アレ"に力強く抱きしめられた私は、思いっきり突き放した
理事長室ー…
「お願いします!何でもしますんで、俺もここに入れてください!!」
「そう言われてもなぁ……君も凜ちゃんの友達かい?名前は?」
「津上亮と申します。ナナ…いや、凜ちゃんとは長い付き合いで仲良くさせてもらってます!」
なぜか香留と共にS大にやってきた"アレ"の正体……亮
おじさんに必死になって頭を下げ、S大に入りたいとお願いしている最中だ
「勉強なら死ぬほど頑張るんで、どうか!!」
「んん〜…」
土下座して深々と頭を下げる亮に、おじさんはすっかり困り果てていた
「なんで連れてきたのよ…!」
私と香留は部屋の隅に立ちながら、申し訳度MAXに達していた
「連れてきてないよ!付いてきたんだもん」
「一緒!!」
「仕方ないじゃん……、亮だって急な出来事に相当パニクってたみたいだし」
「だからって、亮までS大に入ることないでしょ!?」
「"何を言っても聞く耳持たない"、"自分の思い通りになるまで完全にやり通す"…それが亮じゃん?…もうここまできたら理事長も受けるしかないね……苦笑」
「………はぁ」
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