億万色Love
亮はこの一週間、私の姿がないことに相当心配していたらしい
転校の手続きでA大に来ていた香留を問い詰めて、私が引っ越ししたこととS大に転校したことを知った
引っ越しした当日、亮からの着信は覚えてる
でもそれ以降、亮からの連絡はなかった
いや……
亮どころか誰からの連絡もない
というのも、私がS大に来て二日目のこと
移動教室で最上階のパソコン室にいた時、なにかしら過って携帯が外に落ちてしまったんだ
後で見に行くと、携帯の形は少しも残ってなく、無残な破片となって散らばっていた
買うお金がないのは勿論、買いに行く時間がないことを理由にし、普段くる亮からのしつこい電話やメールを拒否するのにもってこいの破損だと気付き、私は携帯を買うのを止めた
いつかは亮にも言うつもりだったけど
まさか…押し寄せてくるとはね
予想を超えていた展開だった
「津上…亮くんだったかな?」
「……はい」
おじさんはパソコンを開いて、何かを見だした
急なおじさんの行動に亮は唖然としている
おじさん、まさか…
亮のデータを見てる?
「香留さんと同じ理数科か。」
「??」
「判定はBだ」
「え?B…?」
なんの話ですか?と顔で訴える亮
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