億万色Love



放課後…ー


「すぐ帰るの?」

「うん。帰って資料まとめないと」

「そっか。私はまだ実験の雑用に使われてるだけだから、何もすることないんだ」

「明日からは香留も授業に参加するんでしょ?」

「いや…それがさ、あと一週間は見学だけっぽい。今調べてるのが終わるまでは、私は手つけちゃダメだからさ。」

「ふーん。なんか大変そうだね」

「まあね。」


香留は理工学部

私は全く分からないし、実験なんて得に興味がない


というより、英語以外のことになると、私の頭はスッカラカンになるの…(汗)


「ナナの家って、ここから近い?」

後ろにちゃっかり付いてきていた亮にそう聞かれた


「ん〜、そんな近くはないよ。でも引っ越しする前よりかはかなり近いけど」

「ふーん。で、家どこ?」

「………」


私は立ち止まり、振り返って亮を見た


「教えない」

それだけ言うと、私は再び歩き始めた


「え…なんで」

「はは!(笑)亮に教えたら、すぐ来ちゃうでしょ?だから教えないの!分かる?イコール迷惑ってこと!!♪」


香留がはしゃぎながら亮をおちょくる


別に…迷惑じゃないんだけど……

半分、香留の言ってることは当たってる

家を教えたりしたら、絶対来ちゃうでしょ……


急に来られたら………


隣にはあいつもいるし………


事情が事情だし…‥




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