創作小咄集
愚者の贈り物
ごく普通のサラリーマンであるアキラはショックを受けていた。

付き合っている彼女であるヒトミがスーパーで男と二人で買い物をしているのを目撃してしまったのだ。

しかもアキラには用事があるから会えないと言っていたその日に。

アキラはヒトミに近々プロポーズしようと思っていたのだがヒトミの方はそんな気はなかったらしい。

明日のクリスマスはアキラの部屋で二人で過ごす予定だったが、それが最後の晩餐になりそうだ。

今となってはその時渡そうと指輪を用意していたのもマヌケに思える。

(俺はフラレるのか)

アキラは涙をこらえた。

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