待っていたの
その後を小走りで追うと、朱貴は言った通りにお茶を入れていて、居心地の悪さも感じながらもちょこんと遠慮ぎみに座るしかなかった。


「ありがとうございます」


そう言って、口をつける。その暖かさが喉を通って染み渡る。


「泣いていたのか」

相変わらず言葉は少ないけれど、ストレートに聞かれた言葉にドキリとした。


この人は朱国の人、言ってしまっていいのかと。



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