ブルービースト
「へ…。あ、た、ただいまです」
急に柔らかい笑顔を見せたユノに、リシアは面食らったようだ。
こんな風に笑う人だったっけ、そう思いながら返事をする。
「疲れたでしょ?お茶入れますよ」
「えっ、ありがとうございます~!」
リシアのように笑顔満開、とまではいかないが、中将補佐は喜ぶ彼女にまた微笑んだ。
それに気付いたリシアは目を輝かせソファーに座る。
「ユノさん、今日は優しいですねー!」
「今日“は”?」
「あ、いえいえっ!冗談ですよぉ~、いつも優しいですっ」
ユノの機嫌を損ねそうになって、リシアは慌てて否定した。
こんな珍しすぎる機会、滅多にないのだから。
無駄にはしたくないと、不機嫌にはさせないようにリシアは頑張ることにした。
「…はい、リシアちゃんはミルクティーだった…のよね?」
「はいっ!ありがとうございますっ、いただきますぅ~」
ユノが煎れてくれた紅茶を早速飲み、ふにゃんと表情を崩し和むリシア。
それを見たユノは自分はストレートティーを口に運んだ。