ブルービースト
-Ⅰ-
翌日。
朝何やら寒気がどうとか騒いでいたブロードを強制的に静かにさせ、ユノはまた彼に仕事を強要させていた。
それだけなら、いいのだが。
「あ~んブロードさぁん!遊んでよおぉお」
「お兄ちゃん見て~。シエラクッキー作ったの」
「うおぉ~!まじ旨そう!さすがシエラ天才だな~!!」
「あ、僕にも一枚ちょうだい」
………………………。
「……何でまたいるんですか」
机に突っ伏すブロードの後頭部をベシリと叩きながら、ユノは第一部隊全員が集まっている状況にそう呟いた。
『また』というのは、ここで働き始めた三週間前から何度も追い出しているからである。
そんなユノの苛立ちの籠った呟きに答えたのは、さっきからブロードにベタベタしまくるリシアだった。