ブルービースト
「そりゃあもう大変ですよ。サボるし寝るし眠るし」
「…なんで寝ると眠る重ねたのユノ」
「でしょうね。私が第一の頃もよく怒られてたわ」
「そんなことないよ」
「やっぱり昔からなんですね」
「ちょっと、俺無視?」
女同士の会話に入れなかったブロードは、いじけてその場にしゃがみこみ“の”の字を書き出した。
情けない上司はさておき、ユノは今度はセリナの傍にいる黒い髪の男性を見上げる。
「あ、第二の副隊長のクライドです」
「プライド?」
「ク・ラ・イ・ド、です」
せっかく自己紹介してくれたのに失礼なことを言うユノ。
しかし彼女に悪気はない。
ちょっと青筋を立てたクライドだったが、言われ慣れているのか溜め息をつくと笑顔を見せる。
「よろしくお願いします、ユノさんブロードさん」
「あ、…よろしく」
「よろしくー」
差し出された手に一瞬戸惑ったユノだったが、すぐに握手に応じた。
いつの間にか復活したブロードも、へらへらしてその手を取る。
「この四人が第二班ね」
「レイツは別々かぁ」
「いりませんよあんなチャラ男」
「ユノさん…キツいです」