ブルービースト
「……“特にない”、その意味がわかったら、ユノは本当に第一部隊の一員になれる。
俺はそうやっていつも有能な部下と無能な部下を見分けてきた。
…悪いけど、今回も試させてもらうよ」
ブロードはそれだけ一気に捲し立てると、ユノの横を通り過ぎて町に向かい歩き出した。
呆然とするユノ。
「ユノちゃん、頑張って。ブロードは厳しいよ。」
通り際、レイツがそう言ってユノの肩を軽く叩いた。
それにより現実に引き戻されたユノは、前を進む五人の背中を見つめる。
(“特にない”の意味…??)
よく、わからない。
わからない、そしたらあのメンバーには入れない。
今ので一つだけ、わかったことは。
今までのあのばか騒ぎする第一部隊では全く見えなかった上下関係が、あの五人には密かに根付いているということ。
やはりトップは、戦武中将。
みんな彼を慕い、従っている。
(普段は馬鹿でサボりなあれが、厳しい??)
既にユノの脳内ではあれ呼ばわりに値していたブロード。
ユノはこの戦闘で、今一度彼をよく見てみることにした。