ブルービースト

風呂から上がり、体を拭く間も髪を乾かす間もリシアは落ち込んでいた。


ユノはそんな彼女を見て、少し申し訳なく思う。




――…あの遠征に行く前に、自覚してしまったから。




あんなに貶しておいて何故、とは自分でも思うが、それでもやはり気持ちは変わらない。






「あれ?」



フロアリビングに三人揃って戻って、女子群は広がる光景に目をしばたいた。




…そこらに散らばる、死屍累々。





「…何してんですか」


「うふふ、お酒飲んでたらねぇ、みんなあっさり沈んでしまって…」



そう言って笑うミノリの周りには、空になったボトルが数十本。


拾って見てみると、…かなり高いアルコール度数。



しかも何故かブロードはミノリに膝枕されていた。




「…飲んだんですか、こんなに」


「うふふ~」


「ごめんなさい…止められませんでした…」



ユノが溜め息をつくと、床に伏せたクリスが唸りながら謝った。



疲れも手伝ってか爆睡しているブロードとレイツは、もうすっかり夢の中のようだ。







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