1億の☆
「先生、とりあえず保留にしてくれませんか?
今初めて聴いた話なので、私の方で一度確認します。」
「わかった、校長にも言っておく。」
「ありがとうございます。失礼します。」
頭を下げて職員室の出口へ向かう。
「あっそうだ!保科!!」
背後から担任に呼び止められる。
顔だけ後ろに向けて「はい?」と訊ねる。
「進路希望調査のアンケートがまだお前だけ出ていないんだが?」
退学するしないの話を保留でいいといっておいて進路の話をするなんて、
なんだか変な可笑しな感じだ。