1億の☆
中を覗くと、確かに藤堂類が乗車していた。
今の状況に戸惑っていると、「早く乗れ」と偉そうに言ってくる。
ムカついたのでこのまま乗車拒否しようかとも思ったが、思い止まった。
校門前はまだ人通りが多く、ここで揉めたら人目に付き過ぎてしまう。
仕方なく素直に乗り込むと西條さんがドアを閉めてくれた。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
そのまま西條さんの運転で走り出した車内は無言のまま進む。
藤堂類と顔を合わせたくなくて窓の外を見ていた私の頭にふと疑問が湧いた。