ラスト プリンス
「――いっ」
ぐわん、と。視界が切り替わり、怖い顔をした耕太が現れて。
じわりと痛みを感じてから、あたしは耕太に顔を掴まれて上を向かされていることが分かった。
痛い。けど、あたしは動けない。
「ふざけんなよ」
感情的ではないけど、ひしひしと怒りは伝わってくる。
痛くて、怖くて、逃げたいけど、耕太から目が離せないでいるあたしは………。
どうしようもなく耕太が好きなのかもしれない。
自分でもバカみたいに、耕太を信じたくて、あたしを知ってもらいたくて、それで好きでいてもらいたいなんて。
………ワガママだよね?
そんなの……そんなことっ。分かっ――
「俺を見ろ」
「………え?」
眉を寄せ目を細めてあたしを見る耕太は、一瞬儚い笑みを浮かべた。
「俺を信じるんだろ?だったら、顔見て話せ。 そうだろ?」
「そうだけどっ」と顔を歪ませるあたしを包み込んだ耕太はあたしの耳元に口を寄せる。