ラスト プリンス


 容姿がいいからって、他人を見下しすぎだと思わない?

 あたしの前を素通りした耕太は、カイさんに持っていたプリントを渡した。

 うっ………。

 なんだか絵になりすぎてクラクラしちゃうんですけどっ。

 はぁ。
 悔しいけれど、カイさんより耕太の方が若干かっこいい気がする。

 っていうか、カイさんの方が大人の雰囲気が漂ってるのかな?

 いつもニコニコして落ち着いた印象が強い。

 耕太より年下ってことはないと思うから、同い年か年上か。

「ボケッとしてないでさっさと化粧をナチュラルにしてこい」

 両頬を掴まれたあたしは、もうアヒル同然。

 しかも、手加減っていう言葉を知らないのか、結構な力の入れ具合で痛い痛い。

 パシンッと耕太の手を払い、睨み上げてみたものの、すでに彼の背中しか見れなかった。

「梨海ちゃん」

 優しいテノールの声に振り返れば、これまた優しい笑みを口元に浮かべたカイさん。

 好きになってもいいですかっ。


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