ラスト プリンス


「おいっ……カイっ!」

 ソファーに座っているあたしにも気付かずに、カイさんに歩み寄る耕太。

「どうしたの?」

「鈴野さんのドレスのデザイン。仕上がったのか?!」

「んー?まだだけど?」

「てめぇ、いっぺん絞めるぞ?」

「あともうちょっとで仕上がるからさ」

「はあ?!あともうちょっとってどのくらいなんだよ!ふざけんのもいい加減にしろよ」

 声色だけで相当怒ってるのが分かるけど、それを気に病むこともなく飄々としているカイさん。

 カイさんってウエディングドレスのデザインをしてるのかな?

「そんなにガミガミ怒らなくたっていいじゃんねぇ、梨海ちゃん」

「リ、ミ?……あ、お前、いたのかよ。目障りだから、早く家帰れっ」

「何よっ!あたしに当たらないで!だいたい、カリカリしちゃって、カルシウム足りてないんじゃないのーっ?」

「カルシウム足りてねぇのはお前だ!ちびっ」

「ちびじゃないっ」

 立ち上がって抗議をしてみるものの、あたしを相手にしない耕太は、カイさんに詰め寄っていた。


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