私は先生
私しかいない保健室

さっきまでの熱は冷めず
私の頭と体をおかしくする


カツンー


ゆっくりとドアに向かい

ガラガラー


―――カシャン

ドアを閉め鍵をかける


今の私を見ないで…
今の私を誰も


誰も…


――カツン
またゆっくりと歩きかべぎわにある椅子に座り…


「ごめんなさい…許して」


膝を抱え


「…グスッ…忘れて…全部」

涙が流れる


「私は先生なの…貴方に恋はできないわ…」


大粒の涙が



心まで染められた私を表すかの様に

静かに



流れ落ちていく
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