緑の魔法使い
魔術師とアルバイト
橘君が言ったとおりその夜は酷い腹痛に悩まされた。
あえて、トイレに一番近い部屋を用意してくれたが・・・トイレに一度入ったら最後、丸一時間は離れる事が出来なかった。
汚い話ではあるが、出すものは何もないのにまだ出そう。まだ出せそうなくらいの腹痛に、顔に脂汗を浮かべて動けないで居た。
心配する綾瀬川たちを余所に、デリカシーの無いあの男は
「まだまだ時間かかるから、向うでお茶にしよう」
言って二人を連れて行ってしまった・・・
その言い方はなによ!!!
力いっぱい心の中で叫ぶも、既にそこには誰もいない。
少し良い人だと思ったのに、やっぱりやな奴だなんて思っている合い間にあの苦しかった腹痛はいつの間にか楽になり、トイレから離れても問題はなくなってきた。
手を洗い少し気まずい思いをしながらも皆の所へと向えばおいしそうな和菓子を食べていた。
クッキーやケーキは食べさせてくれないけど、和菓子だけは食べさせてくれた。
< 46 / 79 >

この作品をシェア

pagetop