【続】俺様王子と秘密の時間
「葉月は何が言いたいんだよ!」
コウちゃんが唇を曲げる。
「つまりね、シイを監視したり、水ぶっかけようとしたり。そこまで執着するのには何か理由がありそうって思ったのよ」
はーちゃんは窓に寄りかかって、大きな瞳でじっとあたしを見た。
「はーちゃん……理由って?」
「それはわかんないけど。でも、尋常じゃないわよ?あの性悪女」
確かに尋常じゃないと思う。
お人形さんみたいな容姿とは裏腹に、あたしを監視していたりバケツの水を浴びせようとしたり。
言動全てが恐ろしい。
「ねぇ、コウちゃん?美結ちゃんはなんでカップルクラッシャーって呼ばれてるのかわかる?」
「え、こないだも言った通りオレはわかんない。ただの噂だよー」
う〜む……。
ただの噂って言われても。
なんか腑に落ちないんだ。