【続】俺様王子と秘密の時間
触れるだけのキス。
それだけで体温が上昇する。
見上げた千秋の瞳は薄暗い部屋の中でキラリと輝いて見えた。
「マジで止めてやんねぇよ?」
あたしの前髪をはらう千秋。
濡れた髪の先から零れ落ちる水滴に目を伏せ、指先から伝わる体温に心臓が波打つのを感じる。
「ん……いいよ」
知らない世界に足を踏み入れる。
そんな気持ちでいっぱいだった。
唇があと一センチでぶつかるくらい近い距離で千秋は口を開いた。
「オレの熱で、お前の全部を濡らしてやるよ」
余裕の笑みを浮かべた。
ドキン……ドキン……。
甘い疼きが止まらない。
誰かと肌を合わせることがどんなことなのかあたしは知らないけれど、不思議と怖さはなかった。
でも頷くのが精一杯だった。
「んっ……」
キス一つに身体が跳ねてしまう。
ほんのわずか唇を離してすぐにまた塞がれる。