【続】俺様王子と秘密の時間
「椎菜……」
千秋の熱に包まれた中で名前を囁かれると、あたしはどうしてか泣きそうになってしまうんだ。
「ちあ…き……」
求めるように名前を呼ぶあたしの手に、千秋は汗ばむ自分の手を重ねて指先を絡めてくる。
そして……。
「椎菜、好きだよ」
あたしの欲しい言葉をくれた。
それは“好き”だと何億万回言われるよりも嬉しくて、千秋に抱きしめられているあたしは、こらえきれずに涙を流した……。
どんな言葉よりも嬉しかった。
その瞬間、確かにあたしと千秋の想いはピタリと隙間なく重なり合ったような気がした。
痛みはとても愛しいもので。
その夜あたしは初めて誰かをこんなにも“愛しい”と思う暖かい気持ちを知った。
乱れる呼吸の合間にキスを交わし、確かめ合うように名前を呼びあってお互いの体温を感じていた。
――何度も、何度でも。