【続】俺様王子と秘密の時間
“友達以上恋人未満”
なんて言葉誰が考えたんだろう。
あたしは授業中ずっと考えてた。
羽鳥が言った言葉が壊れたテープレコーダーみたいに、何度も脳内で再生される。
“ただの友達”
あたしの顔を見ないで真っ直ぐな瞳で言った。
なんでこんなに悲しいんだろう。
友達だけどあたしは羽鳥が大切で、それ以上で、でもそれはどうしても恋にはならなくて……。
じゃあ、あたしは羽鳥にいったい何を望んでるの?
あたし、矛盾してる……。
「黒澤くんって背高いね?」
「180センチくらいあんだ」
「わぁ、王子と並ぶね〜」
「王子?誰、それ?」
昼休みになって黒澤拓海は女の子達と楽しげに話していて、もうすっかりクラスに溶けこんでる。
「シーイ。こっちこいよ?」
ふん。
あんなヤツ無視だ。