【続】俺様王子と秘密の時間
黒澤拓海を無視したあたしは、自販機でコーラを買って羽鳥のもとへ行った。
いつものように話をしよう。
今日は雨だねとかお昼はみんなで食べようとか、いつものように話をすれば羽鳥だっていつもみたいに笑ってくれるような気がする。
「羽鳥……コーラ買ってき……」
口を開いたとたん羽鳥はあたしを煙たがるように席を立って、教室から出て行ってしまった。
やっぱり、目を合わすことすらしてくれなかった。
ズキン……と胸が痛んだ。
「え、そんなことがあったの?」
「ん……」
あたしとはーちゃんは売店でお昼を買って、騒がしい教室の中で向かい合って話をしていた。
そしてあたしは千秋の誕生日にお泊まりしたこと、バイトのこと、羽鳥と何があったか、黒澤拓海とのことも全てを打ち明けたのだ。