【続】俺様王子と秘密の時間
は……?
黒澤拓海はあたしと千秋がちゃんと話せるようにって協力してくれたんじゃなかったっけ?
今の言いぐさだとまるで千秋の焦った顔が見れなくて、ガッカリとかつまんないって感じだった。
「もう気は済んだか?」
「済まないっつの。ご丁寧に写メまで送りつけてやったってのに」
……えっと、話が読めない。
黒澤拓海、コイツはなんでガッカリしてんのよ?
「あいにく、放っとく程オレは冷血じゃねぇから来たんだけど?」
挑戦的な笑みを浮かべて勝ち誇ったような顔をしてみせる千秋。
「聞いたか、シイ?」
えっ……!?
突然あたしに問いかけるから反応に詰まってしまう。
「プリンスが来てくれたってことは、よかったんじゃねーの?」
あ……。
さっき微かに産まれた淡い期待。
それが今あたしの中で確実に大きくなって、素直に嬉しかった。