【続】俺様王子と秘密の時間

◆欲情プリンス



――時刻は夜8時。


あの後、旅館に戻ってきたあたしは西山先生の怒りのげんこつをくらった。


びしょ濡れになったあたしは、夕食の前に着替えるよう言われ、部屋についてるシャワーを浴びた。


あたしはもちろんはーちゃんと同じ部屋で、たいして広くはないけれど綺麗な和室に満足してる。



それから夕食は大宴会場で食べ、お風呂をクラス順に入り、今は羽鳥とコウちゃんが来るのを待っているところなんだけど。



「ふーん。なるほどね。黒澤は、その彼女の変わりにシイを身代わりにしようとしてたわけね」


はーちゃんに遊園地であった出来事を、一から順に説明していた。



「うん。でも黒澤拓海がもうつきまとったりしないって言ってた」

「まあ、そりゃつきまとう理由もなくなって、その件は解決したみたいで良かったけど……」


はーちゃんは、顎を手で抑えながらうーんと唸るように考える。

 

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