【続】俺様王子と秘密の時間
「問題は王子と羽鳥の二人なんじゃない?」
「うん……」
「王子が機嫌損ねて“もういい”って言ったのは理解出来るけど。羽鳥は言動が曖昧すぎるわよ」
「曖昧……?」
確かに羽鳥は遊園地に着いて、千秋がやって来た時にこう言った。
『別にオレはシイじゃなくても、女なら誰でもいんだよ。勘違いすんな……』
それから羽鳥とは話してない。
はーちゃんが言う“曖昧”の意味があたしはわかっていない。
これから羽鳥達が部屋に来て、みんなでゲームをするから、険悪な雰囲気にはなりたくない。
前みたいに喧嘩して拒絶されるのは、もう絶対に嫌だと思った。
「だからね、シイ。曖昧っていうのは……」
はーちゃんが言いかけた時。
――コンコンッ
ノックが聞こえて、はーちゃんがドアを開ける。