【続】俺様王子と秘密の時間
お風呂の後でまだ生乾きのウェーブをくしゃくしゃにして……。
「は……羽鳥……」
苺ミルクを受け取り顔を上げる。
「ムカついてたんだ。あのクソみてぇに冷血なバカ王子が、シイにだけはそうじゃねぇから……」
テーブルに肘をついて顔を隠すように言う羽鳥の声は、いつもと違ってなにか我慢するかのようで。
何も言わないで黙りこむのは一番ズルいとわかっていても、なんて言ったらいいかわからないあたしは、沈黙するしかなかった。
「なぁにが“女なら誰でもいい”よ。羽鳥、無理しちゃって」
と、はーちゃん。
「えーー!雅弥そんなこと言ったの!?」
と、コウちゃん。
「うっせぇな」
「誰でもいいなんて嘘はよくないよー!」
頭を掻く羽鳥をからかうコウちゃんとはよそに、はーちゃんは眉間にシワを寄せて羽鳥を見ていた。
はーちゃん……?