【続】俺様王子と秘密の時間
「聞き捨てならねぇんだ」
「それって……“シイ”って呼ばれてるのが?」
「二度も言わすな」
千秋は長い前髪で目を隠すように、あたしの手の甲に唇で触れた。
トクンッ……。
じんわりと熱が染みこむ。
や、ヤキモチ?
そんな期待に浮かれてしまいそうになるあたしの甘い思考を、千秋の熱で溶かしてほしいと思った。
――ドンッ
あたしを壁に押しつける。
テレパシーなんてこの地球上に存在しないハズなのに、あたしの心の声が聞こえていたみたいだ。
「汗かいてんの?」
あたしの首筋をスーっと指でなぞっていく。
「今…走ってきた…から」
「オレに早く会いたかった?」
細長い指は止まることなく下へ下へと降りていく。
やがてあたしの胸元で止まった。
――シュルッ
「ちょ……」
素早くあたしのネクタイを解く。