【続】俺様王子と秘密の時間
どうしてそんなことをしたのか自分でも不思議だった。
羽鳥のことはずっと羽鳥って呼んでいたせいか、恥ずかしくなる。
他の女の子達のように、あたしも名前で呼びたかったのかもしれない。
「……シイ?」
ヒッ!
羽鳥がゆっくりと目を開けた。
「お、起きた?」
どうしよぉ。
今の聞かれてないよね?
あわあわする自分を隠して平然を装う。
羽鳥は机に顔を乗せたまま、じっとあたしを見つめてくる。
ウェーブの隙間から見える切れ長の瞳はあたしを捉えて離さない。
「えっと……」
なにか言わなきゃって思ったのに口が回らない。