【続】俺様王子と秘密の時間
あたしは図書室を出てからずっと悲観的な考えしか浮かばない。
同時にお姉ちゃんの言葉がフラッシュバックする。
『どっちにもいい顔して中途半端なことしてると、アンタそのうち二人とも失うことになるわよ?』
そんなの嫌だ……。
ブンブンと頭を振って羽鳥の待つ教室へと向かった。
「え……」
教室へ着くと羽鳥は席についたまま眠っていた。
しかも、そこはあたしの席だ。
「…羽鳥、起きて?」
そっと声をかけたけど起きる気配がない。
ちょっと口を開けて眠っている羽鳥。
羽鳥の寝顔って子供みたい。
意地悪言ったり憎まれ口きいてくるクセに寝顔は無防備で可愛いんだ。
今朝、羽鳥と交わした会話が頭を過る。
あたしは呼びかけた。
「ま……雅弥……」