【続】俺様王子と秘密の時間


「相変わらず弱い女のままだな?」


低い声が降ってきた。

胸を突き刺す言葉に痛みが走る。


だけど“好き”だという気持ちは否定したくなくて、それをちゃんと言ったことをわかってほしくて、付けたそうとしたけどそれを千秋が遮る。



「秘密にする理由なんてもうねぇんだよ。お前はオレの女だろ?」


ドクンッ……。

千秋の言う通りだった。

千秋がそう言ってくれたのだから秘密にしなくてはいけない理由なんてもうないのに。


堂々としていればいいのに。

秘密にしたがっているのはむしろあたしの方だった。



――ドンッ



鈍い音がした。



「てめぇが秘密にしろって条件突きつけたクセに、いきなり手のひら返してんじゃねぇよ!」


反射的に目を閉じたあたしが次に見たのは、千秋に掴みかかる羽鳥の姿だった。

 

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