【続】俺様王子と秘密の時間


はーちゃんの言葉が蘇る。



『王子はなにも間違ってないわ。あたしは王子の気持ち、なんだかわかるもの……』


あたしに意気地無しだと言ったはーちゃんも、きっと千秋と同じことを思っていたんだよね。



『どうして……どうして王子の気持ちがわからないのよ……』


どうしてもっと早く気づかなかったんだろう。

あたしは深く深く後悔した。



「そういうことかよ……」


羽鳥は脇に停めたバイクにもたれかかると、顔を上げて目元を腕で隠した。



「オレだって負けてねぇハズなのに。嫌われんのが怖くてオレはシイのためにそこまで出来ねぇよ」


雨に打たれる羽鳥の姿も声音も弱々しかった。



「お前がそこまで考えてんの、言われなかったら一生わかんねぇよ……」


ため息をついた羽鳥がどんな顔をしていたわからなかった。

でも禁断の部屋での千秋の言葉が頭を過った。

 

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