【続】俺様王子と秘密の時間


『でもオレの理由は雅弥が本気だからとか、んなつまんねぇことじゃねぇよ?』


『雅弥にはきっと、一生かかってもわかんねぇだろうな?』


あの日から千秋は変だってずっと疑問だったの。

今更秘密を止めにするなんて言わないでほしいとか、バレたら怖いんだとか思いながら逃げてきた。

けれどあたしはそんな弱虫じゃないと、千秋はそう信じてあたしと過ごしてきた。


全部、全部、あたしなんかためにしてくれたこと。

それに気づかなかったのはあたしだけで、手を伸ばせばいつも千秋はこんなに近くに居てくれた。



「泣かせたかったわけじゃねぇんだけどな」


ザァッとうるさい雨の音に混じって千秋が口を開いた。

あたしの目尻に指先を伸ばす。

瞳からポロポロと熱いモノが溢れていた。

雨なのか涙なのかわからない。



「やっぱりお前は……」


そう言いかけて口を結んだ千秋。

 

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