【続】俺様王子と秘密の時間


「千秋先輩、なに飲んでるんですかぁー?」


壁に寄りかかり缶コーヒーを飲む千秋に、美結ちゃんはとびきりの笑顔を見せてさらに一歩近寄る。


千秋は横目で美結ちゃんをチラッと見るけどすぐに目線を変える。

一言も発さず、千秋はクールフェイスを崩さない。



「超カッコいい〜。“千秋”って……呼んでもいいですかぁー?」


背の高い千秋を上目遣いで見つめる美結ちゃんはうっとりしてる。


“小悪魔ドール”って呼ばれてることに頷けてしまう……。



「缶コーヒーってなんか先輩にピッタリ!美結にもちょーだぁい」


おねだりするみたいな喋り方をすると美結ちゃんは千秋のワイシャツの裾をピッと引っ張る。


チクリ……と胸が痛んだ。



パシッ……。

千秋は美結ちゃんの手を払い、冷たい眼差しを送ると、ちょっと不機嫌な顔でこっちに歩いてきた。

 

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