龍の世界
*****








学校から帰った私は部屋へ行こうと母屋と離れを繋ぐ渡り廊下歩いていると、中庭に幾斗が立っていた。


「幾斗…?」





小さい声だったのに幾斗は即座にこちらを振り返った。そしてゆっくりと近付いてくる。



私は朝から気掛かりだった事を尋ねる。







「幾斗…食事会、どうだった?大丈夫だった?」


「大丈夫じゃなかったらこんなところで突っ立ってねえよ」





さっきは青ざめていた様に見えたが、わたしの気のせいだったのだろうか。








「それは…、そうだけど。…えーっと、今から新体操行くんだけど送ってくれる?あ、でも疲れてるならいいからね」


「いい。早く準備しろ」


「ふふ、ありがとう」




これも実は日課…

幾斗が暇なときは新体操の送り迎えをしてもらっている。


あまり外出を許されない私達の、ほんの少しの自由な時間。

帰りにコンビニでアイスを買うのが最近のコース。

そんなちょっとした事が、私はとても幸せだった



誰かと居られるのが、とても嬉しかった







私と幾斗は


互いに依存している







「ほら、いくぞ」


「うん」



私は幾斗に笑顔で幾斗に駆け寄った。





「何がそんなに嬉しいわけ?」


「別にぃ─だ」


「変な奴・・・」








私達は一緒に過ごす時間が増える毎に、お互いに依存する。







そしてこれが当り前だと




また





同じ過ちを繰り返す───







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