-KAORI-

『あらっ、その傷…。』

そこまで言うと、なにわ分かったように顔を上げた。

『真由美から怒られた?』

「うん…。」

『真由美もやってたからねぇ…。』

お母さんも切ってた?

『あかりと同じくらいのときにね、私からの暴力と学校の悩みか何かで腕切ってたのよ。』

あたしはなにも言えなかった。
ただ涙が溢れるだけで、もう切らないって決めた。

『娘も切ってたから、ショックだったんだよ?もうやめなさい。やめられないかもしれないけど、お母さんのこと考えなさいね。』

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