-KAORI-

あまりの勢いにあたしは何も言えなかった。

『そんなことしていいと思ってるの…。』

泣かすつもりはなかった。

「ごめんお母さん…。」

『傷、一生残るのよ…!』

お母さんは、ふらふらと洗面所に消えて行った。

『どうしたの?』

おばあちゃんが廊下を通り、あたしに声を掛けてきた。

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