-KAORI-

『お昼ご飯、食べる?』

「食べる。」


久しぶりに食べる、お母さんのご飯。

前の家では、ご飯を買ったり外に食べに行っていた。


『オムライス。』

スプーンと一緒に出てきたオムライスは、昔よく食べていたあのオムライスだった。

「おいしそぉ!」

大袈裟ね、と言いながら嬉しそうに微笑むお母さんを温かい目で見た。

『食べたら、自分で片付けてね。お母さん、また物件探しに行って来るから。』

「分かった。いってらっしゃい。…ずっとここにいてもいいんだよ?」

『ははは。お母さんに迷惑かけるからね。』

あぁ、おばあちゃん。

ピロピロン

ケータイに手を伸ばし、メールを見る。

【受信メール:一件】

―弘貴

帰れた?


幸せにやっと浸れたあたしは、オムライスの写真を撮って添付した。


【送信メール】

―弘貴

うん♪
帰れたよん!


ケータイを閉じると、お母さんは焦りながら何かを探していた。

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